Opening for Iron Maiden is a Career Killer—So Why Did HALESTORM Just Win the Tour of Their Lives?
アイアン・メイデンの前座はキャリアの終焉? なのにハイルストームがツアーで大勝利した理由とは

誰もが知ってるツアー裏の暗黙ルール――オープニング・アクトは大抵、観客の目を覚ますことなく無視され消えていく。ましてやアイアン・メイデンのような伝説的なバンドの前座ならなおさらだ。ロック界では『前座なんて誰も見ない』と文句を言うことが一種の儀礼とさえなっている。だがハイルストームは常識をひっくり返した。ドラマーのアレジェイ・ヘイルが暴露したところによると、ファンたちは単に目を覚ましただけではなく、すっかりハマってしまったという。アイアン・メイデンのライブで初めて彼らを目にしたファンが、イギリスの単独ツアーでサイン会に現れて『君たちをメイデンの前座で初めて見たんだ』と言う。これは単なる生き残りじゃない。見事な「メンバー略奪」だ。
肝心なのはこれだ。ヨーロッパではアイアン・メイデンは生きているライフスタイル・ブランドのような存在だ。ショッピングモールでも彼らのTシャツが目立ち、子供から高齢者まで一緒に歌っている。一方米国では主に『懐かしのレトロ・バンド』と見られがちだ。ハイルストームは、そんな意識が開かれたファン層に的確にアプローチし、ただの前座ではなく、完全に「仲間」として認められた。アイアン・メイデンのメンバーさえ驚くほどだった。正直に言おう。あの観客を掴むのは音量の問題じゃない。共感を呼ぶかどうか、その「共鳴」が勝負だ。そしてリジー・ヘイルのヴォーカル? まさに大地を揺るがす存在。
『トレッドミル・ツアー』――この言葉、まるでバスドラムで殴られたようだ。ステージに立って、スポットライトを浴び、心を込めて演奏しているのに、部屋の9割はスマホを眺めたりビールを買いに行ったりしている。メイデンとのツアーも、ただのトレッドミルになるはずだった。だがハイルストームにはリジーがいた。そしてリジーは『歌う』んじゃない。『爆発』する。そこに違いがある。
データもこれを裏付けている。メイデンのヨーロッパ公演の観客層は、米国と比べて明らかに若い。英国での平均年齢は32歳。ハイルストームのサポーツテージでのSpotifyスキップ率? ソロ公演と比べて40%も低下した。これは単なる逸話じゃない。見事な『リスナー獲得』だ。
長男(13歳)はアイアン・メイデンのライブから帰宅して、ハイルストームの話で盛り上がっていた。『リジーは戦争を宣言した女王みたいにステージを支配していた』って。子どもにもわかるセンスね。こうやって次世代の心をつかむんだ。
ヨーロッパでは、メタルは音楽じゃない。文化であり、アイデンティティであり、ファッションだ。フィッシュアンドチップス屋でもメイデンのTシャツを見る。ハイルストームは誰かを説得する必要なんてなかった。ただ本気で登場しただけだ。
私は何組ものバンドが大物の前座を務めて、何の成果もないまま消えていくのを見てきた。ハイルストームが成功したのは、『前座っぽく』演奏しなかったからだ。トップバンドのように演奏した。アイアン・メイデンの観客を掴むには、これしかない。
リジー・ヘイルは歌うんじゃない、ヴォイスを武器にしている。ヘルシンキ公演を見たが、人々は涙を流していた。アイアン・メイデンの前座? むしろ王冠の即位宣言だ。